2022年12月5日
「二兎追う」戦略が未来を切り拓くビジネス書大賞2020年ビジネスリーダー部門特別賞を受賞した「両利きの経営「二兎追う」戦略が未来を切り拓く」は、一旦成功をおさめた企業が、より発展するには、「知の探索」と「知の深化」が必要で、二兎追うことの難しさ、二兎追うことの必要性とその方法を説いています。
先ずは、「知の探索」と「知の深化」の意味と二兎追うことの難しさを、私なりの解釈で申しますと・・・
・知の探索・・情報を収集し、新しい組み合わせを試みて、新たに儲かるビジネスモデルを生み出すこと
・知の深化・・今やっているビジネスモデルを改善して効率と質を高めること
・二兎追うことの難しさ・・今のビジネスモデルを改善しても、価格競争は避けられず利益を維持するのは限界がある。それを回避するには、新たなビジネスモデルを生み出す試みを行わなければならないが、「知の深化」と比べて「知の探索」は、経済的、人的、時間的(プラス精神的)コストがかかるので進めることが難しい。本書は、大企業を例に「知の探索」と「知の深化」は、組織・人材・評価制度等を区別し、「知の探索」は、短期の収支に捉われず進めることを説いている。
では、人材等に余裕のない中小企業はどのように「知の探索」を行うかですが・・・それに関して、先般、神戸市に本社がある急成長企業 ㈱デジタルアライアンスホールディングの有本代表は、経営報告の中で、“経営理念を語る前に、儲かるビジネスモデルを部下に与えることが経営者の仕事”と強く語っていました。
本書を読んだ私は、中小企業においては、「知の探索」は、社長自らが行うことが成功の秘訣と感じました。
「両利きの経営ー「二兎追う」戦略が未来を切り拓く」チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン から