協会けんぽに加入されている会社様には、4月中に健康診断の案内が協会けんぽから届いたのではないでしょうか。会社は従業員がいる場合、従業員に健康診断を受けさせる義務が生じます。そこで今回は健康診断についてお話しようと思います。
▎義務付けられている健康診断の種類
1. 入社時健康診断
会社は従業員を雇入時に入社した従業員に健康診断を受けさせる必要があります。入社時健康診断は入社前3カ月以内の健康診断書の提出があれば、提出のあった項目については省略することが可能です。
2. 定期健康診断
入社時健康診断の後も、1年に1度健康診断を受けさせることが義務付けられています。
このほか法律で定められた特定の仕事をしている従業員に対して、別途健康診断をする必要がある場合もあります。
▎健康診断の対象者
健康診断の対象となるのは「使用者が常時使用する労働者」とされており、簡単に言えば正規社員は全員対象となります。パートは健康診断が不要だといわれることがありますが、これは一部不正確です。労働時間が正規社員の3/4以上になっているパート従業員の場合は、健康診断を実施する必要があります。
▎健康診断後の対応
従業員に健康診断を受けさせた後、会社は健康診断の結果を従業員に知らせるとともに、5年間保存しておく必要があります。また、健康診断の結果、異常所見がある従業員に関して、健康診断から3カ月以内に健康保持のため必要な措置(健康状態に応じて労働時間の短縮、作業の変更等)について、医師の意見を聞いておく必要があります。法定の健康診断を実施していない場合、労基署から指導が入ったり、罰金が科されることにもなりかねません。
従業員の健康状態を適切に把握し管理することは、会社が健全に発展していくうえで重要な要因かと思います。従業員の体調に気を配り、従業員と会社のパフォーマンスをともに向上させていくため、従業員の健康診断を適切に行っていきましょう。