2023年6月1日
労働条件明示ルールの変更2024年4月から労働契約時・更新時の労働条件明示に関するルールが変更になり、すべての労働者や有期労働者を対象に、明示すべき事項が増えます。そこで今回は、労働条件明示の変更事項を確認していきます。
▎2024年4月からのルール
2024年4月からは従来記載する必要があった事項に加え、全労働者又は有期労働者に次の事項を明示する必要があります。
➊ 就業場所・業務内容の範囲について
まず全労働者に対して、雇用契約時、有期労働者の契約更新時に、就業場所・業務内容に加えて、今後配転等で変わり得る就業場所・業務範囲を記載することが必要になりました。
(例) 変わり得る就業場所
勤務地変更の範囲:会社の定める事業所/兵庫県内の事業所 |
❷ 更新上限の明示
次に有期労働者に対し明示が必要になった事項ですが、契約時と契約更新毎に、更新上限の有無と内容を明示する事が必要となりました。
(例) 更新上限の有無及び内容
更新上限の有無及び内容:有 (通算〇年まで/更新回数〇回まで) |
また、最初の契約締結後に新しく更新上限を設ける又は既存の更新上限を短縮する場合には、ルールを変える前に労働者に説明をすることが必要になってきます。
➌ 無期転換申込機会・無期転換後労働条件の明示
現在、有期労働者が同じ使用者との間で有期契約期間が通算5年を超えて更新された場合、労働者からの申込みにより、無期契約に転換できるようになっています。
今回の変更で、上記ルールによる無期転換申込みが可能となる更新の際に、無期転換申込機会と転換後の労働条件を明示をすることが必要となります。
労働条件に関する事項が不明確であったことが原因でトラブルに発展することも多々あります。トラブル防止のためにも雇用の際には、”労働条件通知書”や”雇用契約書”の作成を意識することが大切です。