年間変形労働時間制は、繁忙期と閑散期がある会社において、年間を通じて労働時間を調整することで、業務量に応じた働き方を可能にする制度です。
繁忙期には1日の労働時間を長く、閑散期には短くすることで、年間平均で法定労働時間内に収める仕組みとなっており、残業代の抑制や人員配置の効率化という点で効果があります。
特に、建設業や製造業など、時期によって業務量に波がある業種では有効な制度です。
ただし、この制度は「年間を通じて調整する」ことを前提としているため、途中入社や途中退職が発生した場合には注意が必要です。
1年単位の変形労働時間制において、対象期間の途中で採用・退職した労働者がいる場合、実際に在籍した期間を平均して週40時間を超えて労働させた時間に対し、割増賃金を支払う清算手続が必要になります。
◆清算が必要な対象者と割増手当の対象労働時間の清算方法
対象者:変形期間の途中で入社した者、変形期間の途中で退職した者、期間の途中で対象外部署へ異動した者 等
清算方法:在籍期間中の実際の労働時間が「法定労働時間の総枠」を超えているか計算します。
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| 1.法定労働時間の総枠=「実労働期間の総暦日数 ÷ 7 × 40時間」
2.清算対象時間=「実労働時間-法定労働時間の総枠-既支給の時間外労働時間」 |
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中途退職者の清算は、在籍日数を数え、その期間の法定総枠時間を算出し、実労働時間から差し引くという非常に煩雑な計算が必要になります。そのため、一般的な勤怠管理システムでも「自動計算ボタン一つ」で処理できるものは少なく、手動で計算を挟む必要があります。
年間変形労働時間制を上手に活用すれば残業時間を減らすことができますが、半面、途中退職時には複雑な清算手続きが必要になる場合があり、これを行っていないと未払い残業代のリスクが生じるため注意が必要です。



