2024年3月5日
フリーランスとの取引

令和5年5月にフリーランスとの取引に関する法律が公布されました。正式名称は長い為、ここではフリーランス新法と言っていきます。遅くとも今年の11月には施行されることになりますので、このルールが適用されたとき、どういった対応が必要になるか見ていきたいと思います。

どういった場合に対して適用されるか?

本法律はBtoBにおける委託取引で「特定業務委託事業者」が「特定受託事業者」に業務を依頼する場合に適用を受けることになります。

「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方で従業員を雇わず仕事をしている人(会社)を指します。「特定業務委託事業者」とは、特定受託事業者に業務委託をする事業者で、従業員を雇って仕事をしている人(会社)を言います。

人を雇っている人(会社)が、人を使わず個人で仕事をしている人(会社)に業務委託をする場合は、本規定が適用されることとなります。

どういった対応が必要か?

フリーランス新法では「取引の適正化」と「就業環境の整備」について新たな義務を定めています。取引適正化の観点からは、仕事内容、報酬額等の明示や帰責事由の無い受領拒絶・報酬の減額の禁止等、下請法と同じような義務がフリーランスとの契約の際にも課されることとなります。

就業環境の整備の観点からは、


①広告等を利用し募集の情報提供をする際、実際の報酬額より高い額を表示する等の虚偽の表示、誤解を生むような表示の禁止

②政府の定めた期間以上の業務委託の相手方から申出があった場合、育児介護等との両立に必要な配慮の義務付け

③フリーランスに対しても、対従業員と同等のハラスメント対策の実施を義務付け

④政府の定めた期間以上の業務委託契約で、中途解約する場合、原則解約30日以上前に予告の義務付け


これらの義務付けに違反があると判断された場合、違法行為について指導、立入検査、勧告、公表、命令等の行政上の制裁が与えられる可能性があります。そして、命令に従わなかった場合、会社に50万円以下の罰金の対象にもなりえます。

施行後は、会社として取引相手が特定受託事業者に当たるか確認しフリーランス新法の適用の確認をしていく必要があります。

下請法の適用があった場合、比較的対応の負担は少なく実施できるかと思いますが、施行までに対応できる体制を整えていくことが重要です。


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