2023年8月1日
トランスジェンダーと職場のトイレ

令和5年7月11日にトランスジェンダーの経産省職員の職場トイレの利用制限について最高裁で判断がなされました。社会の潮流から縁遠いものではなくなってきており、実際に直面することも出てくるかと思います。参考までに裁判所がどのように考えたか今回お伝えしたいと思います。大まかには下図のようになります。

経産省のトランスジェンダー(性自認が女性)従業員の扱い

 上記取扱いが4年超にわたり続いており、当該従業員が再度就業階での女性用トイレの利用を求めたところ、認められなかったため、裁判をおこしました。

 

判所の判断

最高裁は本件のような事情の下、4年を経た段階で見直しもせず今までの運用を継続した経産省の取扱いは許されないと判断しました。

ただし、最高裁は一律にトランスジェンダーの方に性自認と同じトイレの利用を認めなければならいと言っているわけではなく、個々のケースによって状況は様々なので、ケースに応じた対応判断をする必要があるとしています。とはいえ、事情を知ることで、研修を行う必要性や、状況を踏まえた運用の再検討等、対応の参考になると思い軽くまとめました。

 

・対象従業員は医師から性同一性障害の診断を受けていた

・戸籍変更に必要な手術は健康上の理由で受けられていないものの、ホルモン投与などしていた

・家裁の名前変更許可を得、職場で変更後の名前を使用するようになった

・説明会当時でも、他の女性従業員から明確な反対意見が出ていなかった

・説明会の後、当該従業員は女性の服装で勤務し、別階の女性トイレを利用していた4年超の間トラブルは発生していなかった

 

まとめ

トイレの対応を決めた当時の扱いは直ちに不合理と言えないが、上記のような事情のもとで、4年以上経過しているにもかかわらず、職場従業員への再調査や研修、取扱いの再検討をすべきだったのにしなかったのは問題事情は様々で、一律の解決法がなじむものではないですが、今崎裁判官が述べられているように、「職場の管理者、人事担当者の取るべき姿勢」として「トランスジェンダーの人々の置かれた立場に十分に配慮し、真摯に調整を尽くす」ことが重要になってくると思います。


ユニバー社会保険労務士・行政書士事務所


どんなことでもお気軽に、お問い合わせ・ご相談ください。
株式会社ユニバー経営サポート
一般社団法人兵庫事業承継サポート

メニューを閉じる