2023年12月1日
フリーランスと労災

フリーランスでも労災の対象になる!?

特別加入していないフリーのカメラマンが通勤途中での交通事故について労災が認定されたとの報道がありました。通常は対象外であるはずなのに、今回はなぜ対象となったのか見ていければと思います。

原則は労災対象外!

業務委託契約をしているフリーランスの個人事業者は原則として労働者ではない為、会社の労災の対象外となるのが原則です。

例外として認められる場合も

ただし、書類上業務委託としている場合であっても、個人事業者と会社の実際上の関係が使用者-労働者と判断されると例外的に労災の対象となります。

対等な立場と言えず使用従属関係(事実上の雇用関係)にあると判断された場合、労働者として扱われることとなります(契約形態のいかんにかかわらずです)。

事実上の雇用と扱われるかの判断要素として次のような点があります。

① 時間的・場所的自由があったか

② 業務遂行に際し指揮監督関係があったか

③ 依頼された仕事・業務指示に対する許諾の自由があったか など


報道内容によると会社がシフトを作り、アプリでスケジュール管理していた点などから労働者に当たるとの判断がなされたとされています。

報道に出てきていない事情込みでの認定ですが、スケジュール管理されていたことで、時間的・場所的自由はほとんどなかったと考えられ、会社の指揮監督下のもと働いていると判断された。

結果として事実上の雇用関係ありとして労災が認められたのではないかと推察します。

 

フリーランスの特別加入拡大と今後

現在、労災保険の特別加入は建設業の一人親方や一部の業種のフリーランスについてのみ認められています。働き方の多様化を受け、2024年秋を目途に原則として全業種に拡充していく方針が出されました。

フリーランスの方の労災特別加入が進んでいけば、特別加入による労災の処理がなされ本事案のような対応は減っていくと思います。

しかし特別加入をしていないフリーランスの方との関係では、依然として同様の問題が残ります

先述のとおり本事案と類似する事案はどんどん減っていくとは思いますが、フリーランスの方との関係が「名ばかり業務委託」(事実上の雇用契約)になっていないか注意を払っていく必要はありますので気を配っておきたいところです。


ユニバー社会保険労務士・行政書士事務所


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