2024年2月1日
自然災害が起こった場合の労務対応

令和6年能登半島地震の被災者及び関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

南海トラフの恐れも年々高まっているなか、今回のような事態に当事者意識を持ち、自分の事として備える事が重要であると思います。

そこで、自然災害で会社にも甚大な被害が生じた場合に、会社としてどのような対応が必要となってくるか、休業対応、従業員に対する給与の支払いの面に焦点を当てて見ていきたいと思います。


給与の非常時払い

従業員から災害等の非常事態の費用に充てるため支払請求があれば給与の支払日前でも働いた分に対する給与を支払う事が必要となります。


休業手当の支払いは必要か

会社が被災し、休業せざる得ない状況である場合、業務を行うことはできないため給与は発生しません

しかし、休みが使用者の都合によるものである場合は、休業手当の支給が必要となります。

休業手当は使用者都合による事由(帰責事由)で、従業員を休業させた場合、従業員に休業期間中平均賃金の60%以上支払わないといけないとされているものです。

ただし、不可抗力といえる場合、帰責事由は無いとされ、支払いを免れます。

天変地異により直接被害を受けた場合は、不可抗力と考えられ、休業手当の支払い義務は生じません。(間接的な影響の場合には、状況に応じ扱いが変わります。)

 

従業員の収入補償を考える

復興後を見据え、収入を補償する事で従業員との関係を維持しておくことは重要な事の一つと思われます。

2つ対応策を示します。

 

① 今回のような大きな災害の場合、雇調金の特例措置が発表されることが通常(今回も実施中)です。そこで、従業員に休業手当を支給しつつ、雇調金で会社支払額を補填する事も従業員の収入補償の一つの方法かと思います。

② また、雇用保険の特例で災害により会社が休業し、就業できない場合に失業とみなし基本手当を受けられる施策も出ます。こちらも収入補償の選択肢として考えられます。


本記事が有事の際の対応を考えるきっかけになれば幸いです。


ユニバー社会保険労務士・行政書士事務所


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